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2021.08.07
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』クエストラブ監督のインタビュー映像解禁!初監督作の制作秘話を明かす!
この度、『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』で初監督に挑んだクエストラブ監督のインタビュー映像が解禁されました!
本作で本年度サンダンス映画祭W受賞を成し遂げ、映画監督として輝かしいデビューを飾ったクエストラブ。5度のグラミー賞受賞者であり、220万人のインスタフォロワーを持つ。「ザ・ルーツ」のドラマー/DJとして世界的人気を誇り、本年度アカデミー賞の音楽監督も努めました。さらに、映画『ソウルフル・ワールド』では声優としても活躍している他、料理や食にまつわる書籍を出版するなど、各方面で多彩な才能をみせるヒップホップ界の最重要人物です。日本でも、昨年、インスタに2SHOT画像をアップし話題となった星野源がファンを公言していたりと、多くの著名人やクリエイター陣から、絶大な支持を得ています。
そんなクエストラブが初めて映画監督に挑んだ経緯や、本作の制作秘話、50年前から今も続く社会情勢について強く訴えかけるインタビュー映像が到着しました。
映像内では、「製作とか音楽監修の依頼だと思ったら監督しろと言われたんだ。この任務を受けることは人生最大のチャレンジだった。」と本作で映画初監督に挑戦した経緯を明かすクエストラブ。当初は不安も抱えていたようですが、3人のプロデューサーからの言葉で映画初監督に挑み、「従って正解だった」とその出来栄えに自信をのぞかせています。
50年もの間地下に眠っていた1本45分~60分の長さのテープが47巻もあり、膨大な量の映像素材をベースに映像を組み立てていった制作作業だが、同時にプロデューサー陣がこの映像を世に出すために各方面に猛烈な働きかけを行っていたのだとか。「なぜこうも簡単に黒人の物語や歴史はもみ消されるのか」と憤りを抱えるクエストラブは、当時フェスが開催された驚きの経緯を「黒人を静かにさせておくことだった。黒人を忙しくさせておく必要があったんだ。そうすれば暴動に関わる気を起こさなくなるだろうとね」と明かしています。
1969年から50年が経った今なお、Black Lives Matterをはじめとした多くの問題を抱える現状に「50年後の今、同様のことが起きている」「当時も今も、似た状況なのは明らかだ」と語っており、劇中にBLM運動の映像を挟むことも考えたそう。しかし、あえてこれ見よがしの比較はせず、「文脈的にメッセージを伝えることにした。演奏の合間を縫ってね」と観る者にメッセージを託す方法を選択した制作秘話を振り返っています。
さらに、「当初の上映時間は3時間25分だった」と驚きの上映時間も明らかに。長時間の上映時間をカットする為、編集技術を教わったのが『ニーナ・シモン 魂の歌』、『キース・リチャーズ:アンダー・ザ・インフルエン ス』など、これまでにも多くの音楽作品を手掛けてきたジョシュア・L. ピアソンです。「リズミックな編集をする業界屈指のエディターだ」と絶大な信頼を寄せながらも「残念ながら1時間削ることになってしまった。そこは辛かったね」と編集作業についての本音ものぞかせました。
50年の封印を解かれ、現代に蘇った幻のライブパフォーマンスを堪能できるのはもちろん、音楽ドキュメンタリーの枠を超え、投げかけられる現代へのメッセージに、全米の有力誌から絶賛の声が相次いている本作。すでに来年度のアカデミー賞ノミネートの声も上がっているこの夏必見の注目作です!